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汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ

院長 三戸岡英樹

日本人の「がん」は急速に増え続けており2016年100万人を突破し、その後も確実にその数が増えることが予想されています(2001年約30万人、2011年約34万人)。

なぜ医学先進国であるにも関わらずがんはこんなに急激に増え続けているのでしょうか?ある人は日本人の寿命が延びたからと結論づけるでしょう。確かにがんは歳を取ればとるほど発生しやすくなりますが、この数字からはどう見ても寿命の増え方よりもがんの発生の増加が勝っています。

私は現在まで30年以上消化器内視鏡専門医として何万人もの方の胃腸を視させていただきました。特に専門である大腸内視鏡では数十万個の(一人平均約3.5個)のがんやその前駆段階のポリープの診断治療を行ってきましたが、現在の病変発見率は20-30年前に比較して確実に増加しており、また若年齢化しています。

内視鏡専門医としての目から見てもがんの増加は寿命が延びたからだけでは決してありません。統計学的にみても私の専門である大腸癌については、その罹患数(なる人の数)は現在30年前の4.5-5倍、死亡者数(亡くなる方の数)は約3倍になっています。現在日本を含めたほとんどの先進国ではがんが増え続けています。

しかしその中でがんの死亡率が急速に減ってきている国があります。皆さん驚かれるかもしれませんがそれはアメリカです。フォード大統領は在任当時「アメリカは医学が最も進歩している国であり、医療に膨大なお金をかけている。にもかかわらず、こんなにがんや心臓病、生活習慣病、糖尿病が増加の一途を辿っているのはなぜだろう?」との疑問を抱き、ジョージ マクガバン上院議員を委員長とする特別委員会を設置し、あらゆる分野の専門家を集結し、国家的な調査プロジェクトを始動させました。全世界の調査を行い150年前には伝染病で死亡する人はいても、がんや心臓病、脳卒中などの病気が皆無であったこと、現在でも発展途上国ではそうした病気が少ないことがわかりました。そこに共通するのは食生活の違いであることを見い出したのです。

これらをまとめたマクガバンレポートには「現在の我々の食事は不自然で、まったくひどいものである。この食事ががん、心臓病、糖尿病などの現代病を産み出している」とあり、特に高脂肪、高カロリーの動物性たんぱく質に偏った食事を強く戒め、なんと300年前の元禄時代の日本食を見習うべきだと報告しています(穀物菜食)。まさに古代ギリシャ時代の医聖ヒポクラテスの言葉「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」なのです。マクガバン氏には2000年米国文民最高位の「大統領自由勲章」が贈られています。このレポートが起源となり、食に対する意識の高まりからアメリカではがんが減ってきているのです。

現代病の原因が食であり、いわゆる「食源病」であることは疑う余地がありません。そしてがんも食による生活習慣病なのです(遺伝性のがんはほんの一部)。現在までたくさんの方の大腸癌、胃癌、食道癌の診断・治療を行ってまいりましたが、これらのがんは早期発見・早期治療を行なえばほぼ100%完治可能です。しかし内視鏡で癌を完全切除し完治したとしても、その癌をつくりだした身体を治療しているわけではありませんので、将来癌が異時性、異所性に発生することを防ぐことは出来ません。これを何とかしなくてはとの思いを以前からたくさんの方の癌を治療しながら抱いておりました。

芦屋で開業して10年以上が経ちましたが、この思いを実現するためにがんを含む病気にならない体を皆様に享受していただくための施設として芦屋三戸岡クリニック附属健腸研究所を開院いたしました。

身体の内側から健康になる食習慣「穀物菜食」とは

人間の腸(小腸・大腸)には100~1000兆もの微生物(腸内細菌)が住み着いており体との共生関係にあります。病気から人体を守る免疫の約70%は腸が担っており腸の状態を健康に保つことは最も重要です。このための秘訣は腸内細菌が喜ぶ食事をすることです。この食事こそ「穀物菜食」なのです。本質的にご自身の身体を健康にしたいと考えておられる方はファスティング以後の食事を「穀物菜食」にすることをお勧めします。

私自身老化を実感し始めた50代後半から食に興味を持ち穀物菜食を実生活の中で80-90%の割合で実践してまいりました。以後体調は良好です。しかし食の改善による体感の変化は少なくとも半年以上の持続がないと得ることができないため、なかなか続けることは難しいかもしれません。

健腸研究所では皆様にこの食の改善の起点としていただくために全消化管洗浄によるファスティング(断食)を提供いたします。食行動を変えるのは知識や考えではありませんインパクトのある身体経験が深層意識にスイッチを入れて行動変容を起こしてくれます当院のファスティングは達成感がありますので以後の食の改善に寄与すると確信しています。穀物菜食を半年以上続けることによりあなたの体は見違えるほど健康になります。

Fasting・食育外来では医療断食の意味、効能そして身体を健康にする食事の内容、食べ方(What to eat, How to eat)などを詳しくご指導申し上げます。

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